「うちの子が肩や肘を痛めないか心配」。ジュニア選手の保護者から最も多くいただく相談です。成長期の野球肩・野球肘の多くは、投げすぎだけでなく「身体の使い方」と「柔軟性の不足」が背景にあります。家庭でも意識できるポイントを、現場の視点で解説します。
成長期のケガは「投げすぎ」だけが原因ではない
野球肩・野球肘というと投球数の問題と思われがちですが、実際には「身体をうまく使えていないために、肩や肘に負担が集中している」ケースが少なくありません。下半身や体幹で生み出すべき力を、腕だけで出そうとすると、末端である肩・肘にしわ寄せがいきます。
つまり、全身を連動させて投げられるようになることが、そのまま最大のケガ予防になります。フォームの土台づくりは、パフォーマンス向上とケガ予防の両方に効くのです。

家庭でも意識したい3つのポイント
① 肩甲骨・股関節の柔軟性を保つ
肩甲骨と股関節がしっかり動くと、腕の振りに「ため」と「しなり」が生まれ、肩・肘への負担が減ります。お風呂上がりなど身体が温まったタイミングでの軽いストレッチを、毎日の習慣にするのがおすすめです。
② 痛みのサインを我慢させない
「投げたあとに痛い」「腕が上がりにくい」といったサインを我慢して投げ続けると、回復が難しい状態に進むことがあります。違和感の段階で休ませ、必要なら専門家に相談する。早めの対応が、長く野球を続けられるかどうかを分けます。

③ 「正しい動き」を早いうちに身につける
成長期は、良い動きも悪い動きも身につきやすい時期です。だからこそ、負担の集中しないフォームの土台を早めに作っておくことが、その後の競技人生を大きく左右します。重い負荷より、まず正しい動きの反復が優先です。
土台づくりは、そのまま上達への近道
ケガ予防のための身体づくりは、決して「守り」だけのものではありません。全身を連動させて力を出せる選手は、結果として球速もスイングも伸びます。守りと攻めは、土台のところでつながっているのです。
「練習量は十分なのに伸び悩んでいる」「故障を繰り返している」というお子様こそ、一度身体の使い方を見直す価値があります。
まとめ
成長期の野球肩・野球肘は、投球数だけでなく身体の使い方と柔軟性が大きく関わります。家庭では「①柔軟性を保つ ②痛みを我慢させない ③早めに正しい動きを身につける」を意識してください。土台づくりはケガ予防であり、上達への近道でもあります。お子様の身体のご相談は、お気軽にどうぞ。


